[⸣paru]

パル

  • [品詞] 名
  • [意味] 羅針盤。コンパス(kompas)。明治生まれの老年層は、カ⸢ラバル[ka⸢rabaru](羅針盤「唐針」の義か)という(加治工伊佐氏談)。カツオ漁船のブ⸢リッ⸣ジ[bu⸢rid⸣ʤi](船長室海軍航海用語のbridge<艦橋>から転訛したもの)に設置されていた。西表島が地平線の彼方に没する遠方の⸢タイワン⸣ズニ[⸢taiwan⸣ʣuni](台湾曽根)、ナ⸢カヌ⸣スニ[na⸢kanu⸣suni](中の曽根)辺りへ出漁する際は羅針盤が必要であった。戦後鳩間島の烏賊釣りサバニ船団が夜中に風向きが変わったことに気付かず、翌朝漁から帰港する際に島とは正反対の(尖閣列島)方面へ順風に帆を孕ませて帆走し去った海難事故がある。小型のカ⸢ラバル[ka⸢rabaru](コンパス)を所持していた加治工伊佐氏がそれに気付いて、櫂を振り揚げて逆走するサバニを制止したが意思が通じず、先頭のサバニに誘導されて二十数隻のサバニが尖閣列島方向へ帆走し去ったという。その前日、北風の中をサバニを牽引して出漁していたカツオ漁船も逆走するサバニを制止できず、結局はサバニを追走する印象を船団に与えてしまったという海難事故である。加治工伊佐氏は近くにいたサバニ1隻を説得し、ジグザグ帆走でその日の午後に石垣島の川平村に辿り付く事ができ、石垣市の警察署へ捜索願いを出すことができたという。全員救助されるのに4,5日を要したといわれている。