[pi̥⸢kiʔuʃi]
ピキウシ
- [品詞] 名
- [意味] 碾(ヒ)き臼。もみすり(籾摺り)臼に限って言う。麦、豆、米などを粉に挽く石臼は、イ⸢ソーシ[ʔi⸢soːʃi](石臼)という。籾摺り臼は松や樫の大木の幹部を利用して造った。籾から籾殻を除去して玄米にするために用いる臼。上段(約70センチ)と下段(約40センチ)より構成される。下段は山形の台座で中央に軸棒があり、それを上段に貫き通す。上段の下部は台座の山形に重なるように刳(ク)られ、中央部には直径約10センチの穴が開けられて台座の軸棒を通す仕掛けになっている。上段の頭部は籾を入れるための椀型の穴が掘られ、軸棒を通す腕木が付けられて回転軸の揺れを防ぐようになっている。上段と下段の接合部は鑿で歯がたてられており、すり合せることによって籾殻が摺り落とされる仕組みになっている。上段の両外側には本体を刳って耳を作り、それに約2メートルの縄を通して両手に交叉させて持ち、碾き臼を中に置いて相対した二人が交互に縄を引いて臼を回転させ、籾摺りをする仕組みになっている。通常はニ⸢ブ⸣ク[ni⸢bu⸣ku](藁で編んだ敷物いなばきむしろ<稲掃筵>)の上に碾き臼を置いて籾摺りをした。多くの場合、碾き臼を挟んで女性が両側に対座し、縄を交互に引き合って籾摺りをした。人手の足りない時は、母親は息子や娘を対座させて一緒に縄を引かせ、その引く力をみて子供の成長を楽しんだりした。