[ma⸢bu⸣rukumi]

マブルクミ

  • [品詞] 名
  • [意味] 魂籠め。マ⸢ブ⸣ルカルイ[ma⸢bu⸣rukarui]ともいう。戸外で転倒したり、悪霊に遭遇して極度に驚いたり、何かの事故を起こして驚愕すると、魂が肉体より抜け落ちて浮遊していくので、病弱になると信じられている。その浮遊している魂を呼び戻し、体内に籠めるための祈願を執り行う儀式。樹木から落ちたり、道で転倒して怪我をすると、事故現場の小石や土砂を掴みとって懐中に入れるだけでも取り敢(ア)えず魂を拾うことが出来ると信じられている。そして後日、改めて正式に魂籠めの祈願を執り行った。魂が抜け落ちると、体がダラダラして気だるくなり、何事に対しても意欲が湧かなくなっていき、寝込むようになるという。顔色も青白くなり、影が薄くなっていくので、そんな時は浮遊している魂を呼び寄せ、⸢ブー⸣ジナ[⸢buː⸣ʤina](麻糸で7、5、3の結び玉を作ったもの)で縛って逃がさないようにし、衣類の袖に結び付け、そのブージナを首に穿かせることによって体内に魂を戻すことが出来ると信じられている。肉体から遊離したマ⸢ブ⸣ル(魂)は、よく水を欲しがるという。それ故、魂籠めの祈願では、必ず水と豆腐(または大豆の)お汁を供物として供える。お膳の最前列に、⸣サバン[⸣sabaŋ](茶碗)に水を入れて置き、次に⸣パナ[⸣pana](お皿に白米を入れたもの)を⸢イッチー[⸢ʔitʧiː](一対)、塩を皿に盛ったもの、それに⸣グシ[⸣guʃi](神酒)を供えて祈願する。マブルを呼び寄せてくると、水を入れた茶碗の上に三回⸢ブー⸣ジナ(麻糸)を回して待機する。祈願の祝詞が終わると、⸣ヌーディマリ[⸣nuːdimari](何年生まれ)の誰某(ダレ|ソレ)と名前を唱えて、マ⸢ナマ⸣ヌ ⸢カイ⸣トゥキナー マ⸢ブ⸣ル ク⸢ミ⸣シミ タ⸢ブ⸣ローリ(今の佳き時に魂を籠めさせてください)と唱え、ブージナで縛って魂籠めをする。そして供物の⸣パナ(白米)から3回米を摘んで紙に入れ、塩も一摘み取って入れ、マブルと一緒に包んで着物の袖に入れ、袖の両端をしっかりと結んでおく。祈願する人が指を水に付けて水をとり、三回魂籠めをする本人の額に塗ってやって儀式は終了する。