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1.が。人名・人代名詞などに付いて主格を示す。他の名詞の主格はふつう-nu(が)で表わされる。ただし,人を表わす名詞の場合,-ʂiに終わる形の場合(逆接の-ʂigaとは別),その他の場合にも-gaの付く例がある。また,-gaのあとには-ja(は),-N(も),-du(こそ)などの助詞が付いて-gaa,-gaN,-gaduなどとなることがある。なお'waN(わたし)に付く時は'waaga(わたしが)となる。{ʔari~caN.<彼が来た。>}{'waa~kacaru tigami.<わたしの書いた手紙。>}{siNsii~ʔmeNsoocooN.<先生がいらっしゃっている。>}この場合はsiNsiinuとも言える。しかし,たとえばʔama(あのかた)の場合はʔamanuと言い,ʔamagaとはふつう言わない。{'NNdaNʂi~ masi.<見ない方がよい。>}{nuu 'jatiN kanuʂi~ ʔami.<何か食べるものがあるか。>}{ʔarigaa ʔicusa.<彼なら行くよ。>}{'waagaa naraNʂiga,ʔjaa~ najumi.<わたしにはできないがおまえにできるか。>}{'jamatuNcugaa ʔanee saN.<日本人ならそうはしない。>}{'waNjaka hukanee taa~N siraN.<わたしよりほかには誰も知らない。>}{kuree 'waa~N najuN。<これはわたしにでもできる。>}{ʔari~duN musika 'wasataduN sjuraba.<[あれがどももしか我沙汰どもしゆらば]彼女がもしもわたしの話でもしたら。>}
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2.の。が。属格を示す。-nuの項参照。{ʔari~ sjumuçi.<彼の本。>}{sibai 'NNdazijaka ʔuQsa~ sisi kamee maa haiga.<芝居を見るよりはその分の肉を食べた方がどれだけいいかわからない。>}
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3.に。…するために。…しに。動詞の「連用形」に付く。ʔiju tui~ ʔicuN.魚を取りに行く。
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4.疑わしさを表わす文に用いて,文の疑わしい部分に付く。あとを推量の形(aで終わる)で結ぶ。述語となる動詞につく場合には「連用形」に付き,あとをsjura(するだろうか。ただし否定の場合は ʔaraあるだろうか)などで結ぶ。{ʔaree tigami~ kacura sjumuçi~ 'junura 'wakaraN.<彼は手紙を書いているのか本を読んでいるのかわからない。>}{ʔai~ sjura.<あるだろうか。>}{tui~ sjabiira.<取りましょうか。>}{naa kakiʔooraN~ ʔajabiira.<もう間に合わないでしょうか。>}{ʔaN~ 'jara.<そうだろうか。>}{kuree'waaga'jara.<これはわたしだろうか。>}{cuu 'ugamu kutuja 'jumi~ 'jajabiira.<[今日拝むことや夢がややべいら(花売之縁)]きょうこうしてお会いするのは夢でしょうか。>}
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か。疑問を表わし、疑問を表わす語に先行されて、質問文・反語文などの文末に用いる。活用する語に付く場合にはその「短縮形」(apocopated form)につく。ただしその後に助詞 'jaa(ねえ)が続く時は、疑問を表わす語に先立たれなくても良い。'jaaの項参照。taamuN〜. だれの物か。taa〜. だれか。caa sju〜. どうするか。?aamuee nuusaani Cukutee〜. 泡盛は何で作ってあるか。